ライモンダ@マリインスキー劇場

ロシアバレエファンのみなさん、こんにちは!
本日、4月29日は国際ダンスデ―です。
そんな日にぴったりな投稿を!ということで、先日鑑賞したマリインスキーバレエ団の「ライモンダ」を取り上げたいと思います。
今年、生誕200周年を迎えたロシアバレエの父「マリウス・プティパ」の晩年の作品であり、主役のバレリーナ泣かせとも言える5種類ものヴァリエーション(ソロ)をちりばめた非常に難易度の高いこの作品。まさにプティパ渾身の一作と言えるでしょう!

【鑑賞作品情報】 ※劇場英語版サイトからも情報をご覧いただけます。
●作品:ライモンダ
●鑑賞日:2018年4月25日
●主なキャスト:
・ライモンダ:ヴィクトリア・テリョーシキナ(Viktoria Tereshkina
・ジャン・ド・ブリエンヌ(婚約者):サンダー・パリッシュ(Xander Parish
・アブデラフマン:コンスタンチン・ズヴェレフ(Konstantin Zverev
・クレメンス(ライモンダの友人):クリスティーナ・シャプラン(Kristina Shapran
・ヘンリエッタ(ライモンダの友人):ナデージダ・バトーエワ(Nadezhda Batoeva
●音楽:アレクサンドル・グラズノフ
●振付:マリウス・プティパ(コンスタンチン・セルゲーエフ改定版)
●同劇場初演:1898年1月7日
●あらすじ:
第一幕:
舞台は中世フランス。お城ではライモンダの誕生日パーティーが開かれている。彼女は十字軍出征に旅立ったハンガリー国王の息子で婚約者のジャン・ド・ブリエンヌの無事の帰還を祈り続けていた。そんな彼女のもとに招かれざる客であるサラセンの騎士アブデラフマンが現れ、彼はたちまちライモンダに心奪われる。アブデラフマンは彼女に気に入られようと高価な贈り物を差し出すが、彼女は全く関心を示さない。
その夜、ライモンダは眠りにつき、夢の中に婚約者のジャンが現れた。彼女は婚約者との幸せなひと時を過ごすが、いつしかジャンの姿はアブデラフマンとすり替わってしまう。慌てて飛び起きたライモンダは夢だったと悟る。
第二幕:
十字軍の遠征に勝利した知らせを受けて、お城ではジャンの帰還を祝う宴が始まった。ただ、ジャンはまだ姿を現さず、今か今かと待つライモンダのもとに再びアブデラフマンが現れ、ライモンダを略奪しようと試みる。しかし、ついにジャンが姿を現し、ライモンダをかけてアブデラフマンとの決闘が始まる。結果、アブデラフマンが破れ、息絶える。
第三幕:
ライモンダとジャンの結婚式。

【感想】
●作品:
導入にも書いた通り、主役のライモンダの5種類ものヴァリエーションからなる珍しいバレエ作品、とにかく見応え満点でした。そして、サラセンやハンガリーの民族舞踊などの要素がふんだんにちりばめられ、異国情緒を感じる魅力的な作品でした。また何よりもプティパの「眠れる森の美女」と同様にとにかく絢爛豪華で、壮大な作品の世界観にどんどん引き込まれ、あっという間の3時間でした。

●見所シーン: 
その①:
ライモンダの5種のヴァリエーション。一幕目の薔薇をモチーフにしたヴァリエーション、夢の中での2種のヴァリエーション、二幕目の恐らく誰もが聞いたことのあるメロディーでホルンの音色が特徴的なもの、三幕目の結婚式のシーン。すべてが非常に難易度の高いヴァリエーションであり、かつ特徴の異なった振付で、ライモンダ役のバレリーナの様々な魅力を感じ取れる構成になっています。主役のダンサー的には計り知れない苦労があり、たまったものではないでしょうけど(笑) しかし、確実に全てのヴァリエーションが見所で、見逃すことはできません。
その②:第二幕。サラセン人達(アブデラフマンの手下)、そして、アブデラフマンの躍動的で情熱的な舞。ライモンダへの必死の求愛、ほんの少し心が揺れそうなライモンダとの絶妙な掛け合いは必見です。
その➂:第三幕。結婚式でのハンガリー舞踊。特徴的な首、手、足の動きなど、この作品の特徴を感じられる場面になっています。

●ダンサー:完璧に踊りこなすライモンダ
・テリョーシキ:ミス・パーフェクトとも言われる彼女、筆者が勝手に言っているだけですが(笑) それにしてもやはり彼女の正確さ、一寸とも狂わない高いテクニック、豊かな音楽性をこれでもか!と見せつけられ、まさに彼女の魅力を余すことなく感じられるパーフェクト・ライモンダでした!
テリョーシキナにはどうしても「パーフェクト」という言葉を使いたくなりますが、実際この言葉が一番似合うダンサーだと思います。
・パリッシュ:彼を見るといつも切実に痛感します。やはりダンサーは見た目が大事なのだと(笑) 信じられない程、絵に描いた通りのジャンがそこにはあり、ジャンそのものでした。あまりにも「勇者」という表現が似合う、そんな強烈なオーラを放っていました。
・ズヴェレフ:皆さんも薄々お気づきかとは思いますが、ズヴェレフ信者の筆者。詳しくは以前の記事(愛の伝説)をご参照ください。この日も魅力満載のアブデラフマンを踊り切り、二幕目で死してしまうのはわかっていながらも、なぜか彼を応援してしまうというストーリー完全無視の見方に走った筆者ですが(笑) 彼はソロでの踊りの魅力もさることながら、サラセン人の手下を率いた中での、つまり群舞での圧倒的な存在感のある舞やテリョーシキナとの絶妙な掛け合い、安定感のあるサポート、リフト、男性ダンサーに必要な全てを兼ね備えた非常に器用なダンサーだと毎回観る度に感じます。

●本日の注目ダンサー:ナデージダ・バトーエワ
ここでわざわざ注目しなくても、来日公演でも度々彼女を目にしている方も多いかと思うので皆さんご存知かとは思いますが。近頃は「白鳥の湖」で主役デビューを果たすなど着々とプリマへの道を進んでいる模様の彼女。今秋の日本公演でも彼女が「白鳥」にキャスティングされていましたね。
この日はライモンダの友人(ヘンリエッタ)を華麗に踊り、一幕目ではペアを組む相手役のフィリップ・スチョーピンとの絶妙に息のあったパートナーシップを披露しました。そして、二幕目の彼女のヴァリエーションでの息を呑むほどの完成度。とあるロシアのバレエ評論家が「ポスト・テリョーシキナ」と言っていたのをふと思い出し、今後のマリインスキーを確実にリードしていくダンサーであることをひしひしと感じました。
ちなみに、彼女のご主人はアントン・ピモノフという元マリインスキー劇場のダンサーで現在は振付家として活躍中です。舞台関係者を対象としたゴールデンマスク賞(振付家部門)を昨年受賞し、今シーズンからエカテリンブルクバレエ団の副芸術監督にも就任し、活躍の場を広げています。妻もすごいが夫もすごいという恐るべき夫婦!今後のお二人の一層の活躍に目が離せません。

●筆者のつぶやき:ホルンが・・・
二幕目のメロディーが特徴的なライモンダのヴァリエーションで、ホルンソロがやらかすという・・・。にも関わらず、何事もなかったかのように踊り切るテリョーシキナ。もはやブラボーを通り越して、何と言って彼女を称えたらいいか分からないぐらい!
そりゃ、人間上手くいかない時もありますよね、ただ、あのホルンソロのミスは致命的では・・・笑
どんなメロディーかというと出だしの「パッパッパララ~♪」というところですけども、よくわからない方はロパートキナ版の動画(7:09辺り)でご確認ください。

【本日の写真】カーテンコール
※この他の写真はEliska’s Instagramに載せます。

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ロミオとジュリエット 公演動画公開中@マリインスキー劇場

ロシアバレエファンの皆さん、こんにちは!
前回の愛の伝説に続き、マリインスキー劇場の公式Youtubeサイトにて昨日4/20に上演された「ロミオとジュリエット」の動画が公開されています。
恐らく1~2週間ぐらいで削除される可能性がありますので、お早めにどうぞ⇒ロミオとジュリエット(2018年4月20日公演)

この公演は前回の愛の伝説と同様に1幕毎に主役が変更するという変則的なキャスト構成になっている特別公演です。というのも、元マリインスキー劇場のダンサーで現在は同劇場でバレエマスターとして後身の指導にあたり、ファルフ・ルジマトフ(Farukh Ruzimatov)をはじめとしたロシアバレエ史、いや、世界バレエ史に名を馳せる多くのダンサーを育て上げたゲンナージー・セリュツキー(Gennady Selyutsky)の80歳を記念した公演だからです。配役はセリュツキー自身が行い、主要男性キャストは全て彼の教え子です。

主なキャストは以下の通りです。
【ロミオ】
1幕目:エフゲニー・イワンチェンコ(Yevgeny Ivanchenko
2幕目:アンドレイ・エルマコフ(Andrei Yermakov
3幕目:イーゴリ・コルプ(Igor Kolb)

【ジュリエット】
1幕目:ヴィクトリア・テリョーシキナ(Viktoria Tereshkina
2幕目:アナスタシア・マトヴィエンコ(Anastasia Matvienko 
3幕目:オレシア・ノヴィコワ(Olesya Novikova

【ティバルト】
1幕目:ドミトリー・ピハチョフ(Dmitry Pykhachov
2幕目:ダニーラ・コルスンツェフ(Danila Korsuntsev

【マキューシオ】
1幕目:アレクセイ・ティモフェーエフ(Alexei Timoveyev
2幕目:アレクサンドル・セルゲーエフ(Alexander Sergeev

その他同作品の情報は劇場公式サイトをご参照ください。

このキャスティングを見た時、久々に大きな声が出ました(笑)
もちろん各ダンサーの個性を活かした配役になっているのですが、何と言っても3幕目のロミオにコルプがキャスティングされている事に!
皆さんもご存知の通り、彼はマリインスキーバレエ団を代表するプリンシパルダンサーの一人で、今まで数々の主役を踊ってきました。しかしながら、近年のコルプは王子路線から離れ、悪役やキャラクター性の強い役を踊ることが多くなりました。これがまさかのハマリ役で、かつて王子を演じていた人とは思えないほど、すっかりこの路線のイメージが浸透しています。
が、やっぱりたまには彼の王子役も観てみたい!と思っていた矢先。直球ど真ん中ストライクなロミオ役に久々に配役され、筆者的にはこの日の公演を非常に心待ちにしていました。
このような素敵なキャスティングを考えてくださったセリュツキー氏に心から感謝します(笑)
きっと彼も久々にコルプのロミオが観たかったのでしょう。

もちろん、コルプだけでなく全幕通して各ダンサーの一味違ったロミオ、ジュリエット、ティバルト、マキューシオが味わえます!
どうぞ存分にセリュツキーワールドをお楽しみください!

くるみ割り人形@マリインスキー劇場

ロシアバレエファンのみなさん、一大事です!
なんと、我らが日本人ダンサー・永久メイさんが「くるみ割り人形」でマーシャ役デビューを果たしました!
この歴史的快挙を観ずしてどうする!ということで、全ての予定を投げ出し、観に行ってきました!
未だ興奮冷めやらぬ状態で、いつも以上に暑苦しい鑑賞日記になりそうですが、どうぞ最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
まさかとは思いますが・・・(笑) 万が一、永久さんをご存知ない方は前の記事の注目ダンサーの項目をご参照下さい。

【鑑賞作品情報】 ※劇場英語版サイトからも情報をご覧いただけます。
●作品:くるみ割り人形
●鑑賞日:2018年4月10日
●主なキャスト:
・マーシャ:永久メイ(May Nagahisa
・王子:ヴィクトール・カイシェタ(Victor Caixeta
※ロシアで上演されている「くるみ割り人形」は主人公の名前が「クララ」ではなく、「マーシャ」となります。
●原作:E.T.A.ホフマン
●音楽:ピョートル・チャイコフスキー
●振付:ワシリー・ワイノーネン(台本:マリウス・プティパ)
●同劇場初演:1934年2月18日
●あらすじ:
第一幕:
ドイツのとある古い街でのクリスマス・イブ。シュタールバウム家では盛大なパーティーが催されている。マーシャはドロッセルマイヤーおじさんからもらったくるみ割り人形をいたく気に入り、楽し気に遊んでいると弟のフランツがちょっかいを出し、人形を壊してしまう。ドロッセルマイヤーおじさんが何とか修理してくれて一安心。
夜もふけり客も帰宅の途に就く。人形を大事そうに抱え、マーシャ就寝。
第二幕:
マーシャの夢の中。ネズミの王様を引き連れたネズミの集団にマーシャが取り囲まれてしまう。それを助けるべく、くるみ割り人形を筆頭に兵隊たちがネズミとの対決を繰り広げる。くるみ割り人形はネズミの王様との一騎打ちで劣勢を強いられるが、マーシャが王様にスリッパを投げつけ撃退し、ネズミの集団は退散する。
ドロッセルマイヤーが再び登場し、マーシャをお姫様に、くるみ割り人形を王子様に変身させ、雪の精に誘われおとぎの国へいざなわれる。
第三幕:
おとぎの国では到着した二人を出迎える宴が開かれ、二人も共に踊り、楽しいひと時を過ごす。
エピローグ:
魔法のような夢は終わりをつげ、目を覚ますマーシャ。

【感想】
●作品:何度見ても本当に良いですね、この作品は。まさかの薄っぺらい感想(笑)
ではなく、本当に心の底からため息が出る程、言葉を失う程のこの作品の力(観て楽しい・聞いて楽しい)に感無量です。クリスマス感ゼロの4月にも関わらず、時季を問わずクリスマスと錯覚してしまう、この作品の世界観の深さに改めて圧倒されました。
ちなみに、同劇場で上演されているワイノーネン版の「くるみ割り人形」は全幕を通してマーシャ役は大人のバレリーナが踊ります。イワーノフ版及び一部のワイノーネン版ではマーシャは子役(バレエ学校の生徒)が、お姫様になったマーシャ(いわゆる金平糖の精)を大人のバレリーナが踊ります。
何はともあれ、同劇場のケースでは終始、永久さんが観れるということです!

●見所シーン: 
その①:
第一幕。ドロッセルマイヤーが仕掛ける遊び心満載の展開。チャイコフスキーの巧みな音色と調和してクリスマスパーティーの楽し気な雰囲気が存分に感じられます。そして、おじいさん・おばあさんのダンスシーン、細かな小芝居も見逃せません。
その②:第二幕。雪の精の舞と、それを盛り上げる合唱隊。主役の二人だけでなく、観客をも巻き込んでおとぎの世界へいざないます。雪の精のステップを真似する愛らしいマーシャの姿も見逃せません。
その➂:第三幕。各国の踊り、薔薇の精、マーシャ・王子のパ・ド・ドゥ、要するに全てです(笑) 特に、パ・ド・ドゥでは薔薇の精の男性ダンサー4名も加わった壮大なリフトが繰り広げられ、圧巻です。

●ダンサー:愛すべきマーシャ!
・永久さん:実は観劇の前日、なぜか筆者が踊る訳でもないのに、あまりにも興奮して良く眠れず。おまけに、当日開演したらしたで、急に緊張し手に汗をかき出すという落ち着かない筆者をよそに(笑) 信じられない程に穏やかで、かついつものチャーミングさ、そしていつも通り落ち着いた正確なテクニックを見事に披露する永久さんの姿を目の当たりにし、楽しいパーティーの場面にも関わらず、涙する筆者(笑) しょうがないんです、歴史的快挙なんですもの、日本人があの天下のマリインスキー劇場で、ロシア最高峰、いや世界最高峰のバレエ団で主役を踊っている訳ですから。
それにしても本当に彼女は素晴らしいダンサーだということを実感しました。とにかく、全てのパが美しい、そして信じられない程の正確さ。この日は特に彼女の持ち味が際立っていたと思います。そして、持ち前のチャーミングさがまさにマーシャ役にぴったりで、本場ロシアの観客も魅了し、愛されるマーシャになったのではないでしょうか。
・カイシェタ:彼も永久さんと同じく今シーズンから研修生としてマリインスキーに所属しているブラジル出身のダンサー。ルジマトフ、ゼレンスキーなどを育てた巨匠ゲンナージー・セリュツキーに師事し、近頃は永久さんと同じく重要な役にキャスティングされている将来有望なダンサーの一人です。
が、しかし、永久さんへの想いが強すぎて申し訳ないことに彼のキャスティングは若干そっちのけ気味になっていて・・・本当に心から謝罪します(笑)
ところが、第二幕、王子の登場シーン。度肝を抜かれました!なんだ、この全身のしなやかさ、ラインの美しさ、指先から足先までの細やかな表現力。まさにロシアンスタイル!と見入り、そして彼の世界に完全に引き込まれました。
そして、何よりも主役二人のパートナーシップが光りました。日頃からの仲の良さも要因の一つだとは思いますが、この日のためにたくさんの練習を重ねた努力の結晶を感じました。

●本日の注目ダンサー:ラウラ・フェルナンデス(Laura Fernandez
彼女の写真を見て、あれ?とお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、2016年のローザンヌ国際バレエコンクールの最優秀コンテンポラリーダンス賞とベストスイス賞に輝いたワガノワバレエ学校出身のスイス人ダンサーです。
この日はあし笛の踊り(フランスの踊り)にキャスティングされていました。永久さんと同様、全身からにじみ出るチャーミングさ、そして身体のしなやかさとポジションの美しさがあし笛の踊りとマッチし、彼女の長所が非常に際立っていました。
彼女も今回の主役の二人と同様、重要なソロでの起用が増えてきているダンサーの一人です。これからの活躍に大注目です!

●筆者のつぶやき:もう研修生じゃなくていいんじゃないの?笑
今回の主役の二人、もう本採用にしましょうよ。研修生レベルをはるかに超えた完成度でしたよ。若い二人のダンサーに注がれた拍手喝采が何よりもそれを証明していると思います。
二人の今後の活躍にこれからも目が離せません!

【本日の写真】カーテンコール
※この他の写真はEliska’s Instagramに載せます。

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愛の伝説 公演動画公開中@マリインスキー劇場

ロシアバレエファンの皆さん、こんにちは!
更新が再び滞ってしまいましたが、今日は少しいつもとは違った内容を投稿します。

現在、マリインスキー劇場の公式Youtubeサイトにて先週4/5に上演された「愛の伝説」の動画が公開されています。
もしかすると1週間ぐらいで削除される可能性がありますので、お早めにどうぞ⇒愛の伝説(2018年4月5日公演)

この公演は1幕毎に主役が変更するという変則的なキャスト構成になっている、お気付きの通り特別な公演です。というのも、元マリインスキー劇場のダンサーで現在は同劇場でバレエマスターとして後身の指導にあたっているレジェプミラット・アブディエフ(Radjepmyrat Abdyev)の70歳を記念した公演だからです。配役はアブディエフ自身が行ったそうです。

主なキャストは以下の通りです。
【シリン】
1幕目:オレシア・ノヴィコワ(Olesya Novikova
2幕目:エレーナ・エフセーエワ(Elena Yevseyeva
3幕目:クリスティーナ・シャプラン(Kristina Shapran

【フェルハド】
1・2幕目:ティムール・アスケロフ(Timur Askerov
3幕目:アンドレイ・エルマコフ(Andrei Yermakov

【メフメネ・バヌー】
1幕目:エカテリーナ・コンダウーロワ(Ekaterina Kondaurova
2幕目:ヴィクトリア・テリョーシキナ(Viktoria Tereshkina
3幕目:アナスタシア・マトヴィエンコ(Anastasia Matvienko 

同作品の詳しいあらすじは前の記事をご参照ください。

各ダンサーの個性を活かしたキャスティングになっていると感じました。
ちなみに、現在のマリインスキー劇場を確実にリードしているダンサーの一人でもあるテリョーシキナに関して、ついに3月29日、ロシア政府より「人民芸術家」の称号が授与されました!
そして、同じタイミングでボリショイバレエ団のエカテリーナ・シプーリナ(Ekaterina Shipulina)も同様の称号を授与されました。何ともおめでたいことですね!
ちなみに、この「人民芸術家」という称号はロシアでは非常に名誉ある称号で芸術関係者に授与される最高ランクの称号です。
マリインスキー劇場で同称号を持つダンサーは、授与された順にウリヤーナ・ロパートキナ(昨年引退)、ディアナ・ヴィシニョーワユリア・マハリナといった日本でもお馴染みのそうそうたる面々です。
正直、筆者的にはテリョーシキナはずいぶん前にもらってもおかしくない!という気がしていましたが、ついに!やっと!「人民芸術家」の仲間入りです!
彼女のこれからの一層の活躍に目が離せませんね!