くるみ割り人形@マリインスキー劇場

ロシアバレエファンのみなさん、一大事です!
なんと、我らが日本人ダンサー・永久メイさんが「くるみ割り人形」でマーシャ役デビューを果たしました!
この歴史的快挙を観ずしてどうする!ということで、全ての予定を投げ出し、観に行ってきました!
未だ興奮冷めやらぬ状態で、いつも以上に暑苦しい鑑賞日記になりそうですが、どうぞ最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
まさかとは思いますが・・・(笑) 万が一、永久さんをご存知ない方は前の記事の注目ダンサーの項目をご参照下さい。

【鑑賞作品情報】 ※劇場英語版サイトからも情報をご覧いただけます。
●作品:くるみ割り人形
●鑑賞日:2018年4月10日
●主なキャスト:
・マーシャ:永久メイ(May Nagahisa
・王子:ヴィクトール・カイシェタ(Victor Caixeta
※ロシアで上演されている「くるみ割り人形」は主人公の名前が「クララ」ではなく、「マーシャ」となります。
●原作:E.T.A.ホフマン
●音楽:ピョートル・チャイコフスキー
●振付:ワシリー・ワイノーネン(台本:マリウス・プティパ)
●同劇場初演:1934年2月18日
●あらすじ:
第一幕:
ドイツのとある古い街でのクリスマス・イブ。シュタールバウム家では盛大なパーティーが催されている。マーシャはドロッセルマイヤーおじさんからもらったくるみ割り人形をいたく気に入り、楽し気に遊んでいると弟のフランツがちょっかいを出し、人形を壊してしまう。ドロッセルマイヤーおじさんが何とか修理してくれて一安心。
夜もふけり客も帰宅の途に就く。人形を大事そうに抱え、マーシャ就寝。
第二幕:
マーシャの夢の中。ネズミの王様を引き連れたネズミの集団にマーシャが取り囲まれてしまう。それを助けるべく、くるみ割り人形を筆頭に兵隊たちがネズミとの対決を繰り広げる。くるみ割り人形はネズミの王様との一騎打ちで劣勢を強いられるが、マーシャが王様にスリッパを投げつけ撃退し、ネズミの集団は退散する。
ドロッセルマイヤーが再び登場し、マーシャをお姫様に、くるみ割り人形を王子様に変身させ、雪の精に誘われおとぎの国へいざなわれる。
第三幕:
おとぎの国では到着した二人を出迎える宴が開かれ、二人も共に踊り、楽しいひと時を過ごす。
エピローグ:
魔法のような夢は終わりをつげ、目を覚ますマーシャ。

【感想】
●作品:何度見ても本当に良いですね、この作品は。まさかの薄っぺらい感想(笑)
ではなく、本当に心の底からため息が出る程、言葉を失う程のこの作品の力(観て楽しい・聞いて楽しい)に感無量です。クリスマス感ゼロの4月にも関わらず、時季を問わずクリスマスと錯覚してしまう、この作品の世界観の深さに改めて圧倒されました。
ちなみに、同劇場で上演されているワイノーネン版の「くるみ割り人形」は全幕を通してマーシャ役は大人のバレリーナが踊ります。イワーノフ版及び一部のワイノーネン版ではマーシャは子役(バレエ学校の生徒)が、お姫様になったマーシャ(いわゆる金平糖の精)を大人のバレリーナが踊ります。
何はともあれ、同劇場のケースでは終始、永久さんが観れるということです!

●見所シーン: 
その①:
第一幕。ドロッセルマイヤーが仕掛ける遊び心満載の展開。チャイコフスキーの巧みな音色と調和してクリスマスパーティーの楽し気な雰囲気が存分に感じられます。そして、おじいさん・おばあさんのダンスシーン、細かな小芝居も見逃せません。
その②:第二幕。雪の精の舞と、それを盛り上げる合唱隊。主役の二人だけでなく、観客をも巻き込んでおとぎの世界へいざないます。雪の精のステップを真似する愛らしいマーシャの姿も見逃せません。
その➂:第三幕。各国の踊り、薔薇の精、マーシャ・王子のパ・ド・ドゥ、要するに全てです(笑) 特に、パ・ド・ドゥでは薔薇の精の男性ダンサー4名も加わった壮大なリフトが繰り広げられ、圧巻です。

●ダンサー:愛すべきマーシャ!
・永久さん:実は観劇の前日、なぜか筆者が踊る訳でもないのに、あまりにも興奮して良く眠れず。おまけに、当日開演したらしたで、急に緊張し手に汗をかき出すという落ち着かない筆者をよそに(笑) 信じられない程に穏やかで、かついつものチャーミングさ、そしていつも通り落ち着いた正確なテクニックを見事に披露する永久さんの姿を目の当たりにし、楽しいパーティーの場面にも関わらず、涙する筆者(笑) しょうがないんです、歴史的快挙なんですもの、日本人があの天下のマリインスキー劇場で、ロシア最高峰、いや世界最高峰のバレエ団で主役を踊っている訳ですから。
それにしても本当に彼女は素晴らしいダンサーだということを実感しました。とにかく、全てのパが美しい、そして信じられない程の正確さ。この日は特に彼女の持ち味が際立っていたと思います。そして、持ち前のチャーミングさがまさにマーシャ役にぴったりで、本場ロシアの観客も魅了し、愛されるマーシャになったのではないでしょうか。
・カイシェタ:彼も永久さんと同じく今シーズンから研修生としてマリインスキーに所属しているブラジル出身のダンサー。ルジマトフ、ゼレンスキーなどを育てた巨匠ゲンナージー・セリュツキーに師事し、近頃は永久さんと同じく重要な役にキャスティングされている将来有望なダンサーの一人です。
が、しかし、永久さんへの想いが強すぎて申し訳ないことに彼のキャスティングは若干そっちのけ気味になっていて・・・本当に心から謝罪します(笑)
ところが、第二幕、王子の登場シーン。度肝を抜かれました!なんだ、この全身のしなやかさ、ラインの美しさ、指先から足先までの細やかな表現力。まさにロシアンスタイル!と見入り、そして彼の世界に完全に引き込まれました。
そして、何よりも主役二人のパートナーシップが光りました。日頃からの仲の良さも要因の一つだとは思いますが、この日のためにたくさんの練習を重ねた努力の結晶を感じました。

●本日の注目ダンサー:ラウラ・フェルナンデス(Laura Fernandez
彼女の写真を見て、あれ?とお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、2016年のローザンヌ国際バレエコンクールの最優秀コンテンポラリーダンス賞とベストスイス賞に輝いたワガノワバレエ学校出身のスイス人ダンサーです。
この日はあし笛の踊り(フランスの踊り)にキャスティングされていました。永久さんと同様、全身からにじみ出るチャーミングさ、そして身体のしなやかさとポジションの美しさがあし笛の踊りとマッチし、彼女の長所が非常に際立っていました。
彼女も今回の主役の二人と同様、重要なソロでの起用が増えてきているダンサーの一人です。これからの活躍に大注目です!

●筆者のつぶやき:もう研修生じゃなくていいんじゃないの?笑
今回の主役の二人、もう本採用にしましょうよ。研修生レベルをはるかに超えた完成度でしたよ。若い二人のダンサーに注がれた拍手喝采が何よりもそれを証明していると思います。
二人の今後の活躍にこれからも目が離せません!

【本日の写真】カーテンコール
※この他の写真はEliska’s Instagramに載せます。

IMG_5670[1]

投稿者: eliskarussianballet

ロシアバレエファンによるサンクトペテルブルクの劇場鑑賞をまとめたブログです。ロシアバレエファンのみならず多くのバレエファン、バレエファンじゃない人も巻き込んだ楽しいブログにできたらと思います!どうぞ気軽に遊びに来てください。

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